教えて!SolutionDesk「マスターナレッジって何?」
ご覧いただき有難うございます。エンジニアの霧生りかです。今回は SolutionDesk の機能《マスターナレッジ》についてお話します。
《マスター》や《ナレッジ》という言葉は知っているけれど、それらをくっつけて何ができるのか、不思議に思われるかもしれません。
「顧客情報一覧や製品情報一覧はあるけれど、そこにナレッジがあるの?」
「ナレッジって知識や経験のことで、マスター情報のようなものは存在しないのでは?」
などと、疑問に思った方もいるかもしれませんね。
マスターナレッジとは?
《マスターナレッジ》は業務の根幹データもナレッジとして扱う考え方です。
「お客様情報は営業部門が管理している」「製品情報は生産部門が最新情報を持っている」という状況はよく聞きます。これらのお客様情報や製品情報は各部門が業務を行う上で根幹となる《マスター情報》です。顧客マスターや製品マスターという呼称を採用している事業者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
一方で、「サポート部門でもお客様情報を管理しているが、元になったデータは数年前に営業部門から受け取った資料である」ということはないでしょうか。「製品に関する情報についても、お客様問い合わせを元にサポート部門では独自で操作マニュアルに事例メモを追加して運用している」というケースもあるでしょう。そうすると発生しやすいのが、
・複数部門へコピー展開しそれぞれの業務に使用していたら、いつの間にか部門ごとの独自資料になってしまった
・マスター情報の展開先を管理していないため、最新情報が一部部門にしか届いていない
という問題です。各部門の業務に直結する知識や経験は大切なナレッジなのに、マスター情報が散らばっている影響で十全に活用できない状態はとても勿体ないと思いませんか?
マスター情報もナレッジとして集約し一元管理することで、重複管理によるデータの陳腐化や古いデータの混入を防ぐことができますし、営業や生産部門などの専任部署がそれぞれのマスター情報を管理することで、常に最新の情報を全社で活用できる状態を作ります。
ナレッジマネジメントの考え方にマスター情報も組み込むことで、これまでの情報管理から一歩進んだマネジメントをご提案します。
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マスター情報の管理と何が違う?
「きちんとマスター情報を更新管理していれば、マスターナレッジである必要はないのでは?」
「マスター管理の言い方を変えただけかな?」
そんな声が聞こえてきそうです。もちろん、マスターナレッジはマスター管理の考え方の一つとも言えますので「弊社はマスター管理が完璧なので、情報の陳腐化も多重管理も発生しません」という事業者様はメリットを感じられないかもしれません。しかし、マスターナレッジはマスター管理であるとともにナレッジマネジメントでもあります。
・完璧に管理されているそのマスター、活用する現場の声は収集できますか?
・顧客マスターに収める情報に、営業からの情報だけではなく、お客様と製品サポートとの応対履歴は紐づいていますか?
・製品マスターとその製品を使用している顧客の情報は紐づいていますか?
マスターナレッジの本質は、最新のマスター情報を社内の各種ナレッジと紐づけて活用する仕組みにあります。マスター情報がどれほど洗練されていても、活用できなければ宝の持ち腐れ。情報は活用してこそ価値があるのに、片手落ち状態になってはもったいない。
けれども、実際の現場でマスター情報を活用しようと思ったら、お客様とやり取りしているツールを開いて、マスター情報が収められている社内wikiを開いて、必要があれば製品カタログのPDFを開いて……なんて、ディスプレイが一杯になってしまいませんか?
マスターナレッジはそんな問題も解決できるのです。
システムに備わった機能なので、システムの画面上でお客様とのやり取りもマスター情報も参照することができます。お客様からのお問い合わせ内容も、お客様自身の情報も、問い合わせ対象の製品情報も、それぞれのマスター情報に関する社内関係者の声も、全部同じシステム上で確認できるからディスプレイはスッキリ!
情報の活用が進み情報の価値を発揮することができます。
ただのマスター管理ではない、と感じていただけたのではないでしょうか。
マスターナレッジで組織の知識を底上げし属人化解消へ!
マスターナレッジのメリットは、マスター情報の活用や陳腐化防止だけではありません。
「入社したばかりで部品の固有名詞であることしかわからない」
「古い製品に使われている部品で、ベテラン社員しか把握してないんだけど今日は休みなんだよな」
そんな問題もマスターナレッジにお任せください。
次代へ知識を残すことで組織の知識を底上げ
製品の概要や分類をマスター情報として参照できるのはもちろん、マスター情報1件1件に付属しているチャットを使って、そのナレッジに関する質問や補足をすることが可能です。
業務に不慣れな人が抱く
「これはなんだろう?」
「どういう使い方をするのだろう?」
「この記述の意味がよくわからない」
といった情報は、その時にしか生まれてこない貴重な疑問ですよね。業務に慣れた人でもハッとするような質問が出てくることも多いでしょう。けれど、いざ質問しようとした時。ためらってしまった経験はありませんか。
「忙しい現場で先輩に声をかけるのは忍びない」
「上司に聞いてみたいけど仕事抱えてるよなあ」
急ぎではないからこそ後回しにしてタイミングを逃してしまう、そんな経験は誰しも持っていると思います。そこで活躍するのが付属しているチャットです。とりあえず質問を書いておくことで、貴重な疑問を忘れてしまう前にアウトプット!
回答できる人が隙間時間で回答を残しておけば、質問をした人も知識を得られますし未来の新人に知識を残すことができるのです。また、問い合わせ1件1件を検索するのと同じようにマスター情報も検索できるため、業務に携わっている歴史が浅い関係者が用語集として利用することもできるでしょう。
業務の中でナレッジとマスター情報を紐づけて属人化解消
属人化解消で一番ネックになるのは《知っている人から情報を吸い上げること》ではないでしょうか。
「聞けば答えてくれるんだけど、自分からは書き出してくれない」
「聞かれれば出てくるんだけど、白紙の状態から書いてくれと言われると困る」
業務の引継ぎなどでも「なんでこの情報を残してくれなかったんだ」と思うことがある一方で、いざ自分が引き継ぐ番になると「何を残せばいいんだろう」と悩んだことはあると思います。業務中に細々とメモしておけばよいのかもしれませんが、大量のメモを後でまとめるのも時間がかかりますし、習慣化するにも時間は必要です。この問題を解決する鍵は《業務の中で無理なく情報を紐づけていく》こと。
お客様からの問い合わせや修理報告書などの中に、型番や製品名を記載することはよくあると思います。その型番や製品名からマスター情報を参照し回答を得られれば、その製品に詳しい人へ話を聞きに行く必要がなくなると思いませんか。あるいは、型番や製品名に関連する過去のナレッジを探し出せれば、過去の解決策からヒントや答えを得られるかもしれません。
マスターナレッジの仕組みはこれを実現できるのです!
業務の中で作成する資料とマスター情報を無理なく紐づけ、確実に知見を貯めていくことができます。作成資料のフォーマット上には記載する場所がない小ネタなど、これまでの業務では取りこぼされてきたTipsもチャットに残しておけば良いのです。案外、小ネタなどが後々の助けになることもあるんですよね。小技やこぼれ話などは、ちょっとした息抜きの読み物としても楽しいものです。そうして貯め続けたナレッジは年中無休のデジタルベテラン社員と言っても良いのではないでしょうか。
デジタルベテラン社員は退職することもありませんし、ユーザーの数だけ耳を持っています。「忙しそうだからちょっと」なんて遠慮する必要もないのです。システムを活用すれば活用するだけ答えてくれる範囲が広がるデジタルベテラン社員。
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霧生 りか (きりう りか)
アクセラテクノロジ株式会社にエンジニアとして入社。SESからの転職組。好きな言語はJava。フレームワーク開発も良いがフルスクラッチも楽しいと思っている。サーバサイドプログラム開発を主に担当。最近は開発以外の業務に携わっていることも多く、動画制作が主戦場になりつつある。
一人で気ままに動くタイプで、旅行も一人で行くことが多い。歴代トップの強行軍は東京から香川の日帰り旅行。いつか神津島に行きたい。