AIを活用したFAQ自動生成
「2ステップ」で作れば使えるFAQに!

こんにちは。今回のテーマは、よくお問い合わせをいただく「AIでのFAQ自動生成」についてです。
最近よく耳にするAIを使ったFAQの自動化。『AIでFAQを作ると、どれだけ手間が省けるんだろう?でも、回答の精度は大丈夫なのかな……』『本当に“使える”FAQができるの?』という不安をお持ちの方も多いかもしれません。
せっかくAIを使ってFAQを作るなら、ちゃんと“使える”FAQにしたいですよね。実はFAQをAIに作らせる方法には、2つのステップを踏むことで精度の高いFAQが完成する、というポイントがあります。本記事ではその流れを具体的に紹介しますので、AIを活用したFAQ作成を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
FAQ自動生成の落とし穴
近年、コールセンターやカスタマーサポートの現場では、「FAQ作成に時間と手間がかかる」という悩みが増えています。そこで今、AIを活用してFAQを自動生成する手法が広まってきています。中でもよく聞く手法が「応対履歴からFAQを作る」「マニュアルからFAQを作る」というものではないでしょうか。
しかし、実際には「応対履歴をそのままAIに投げる」「マニュアルデータだけを読み込ませる」といった単純な方法だけでは、有用なFAQを作り上げるのは難しいのが現状です。
なぜでしょうか? まず、応対履歴の内容は必ずしも正解とは限りません。案件がクローズしていても、実際には100%正しい回答ではなかったケースも考えられます。一方で、マニュアルだけに頼ってFAQを作る場合には、利用者が本当に知りたいポイントが必ずしもマニュアルに明示されていないため、よくある質問を的確に抽出できないというデメリットがあります。
● 応対履歴だけに頼ると・・・
・問い合わせがクローズしていても、100%正しい回答ではないケースが混在
・履歴の内容が完全な正解とは限らない
● マニュアルにだけに頼ると・・・
・マニュアルから“よくある質問”を的確に抜き出すのは意外と難しい
・その結果、実際にはあまり使われないFAQができてしまう
2ステップでFAQを自動生成する方法
そこで私たちが提案しているのが、「2ステップでFAQを自動生成する方法」です。流れは以下のとおり。
Step1: 応対履歴を取り込み、よくある質問一覧を作る
Step2: 社内のマニュアルやノウハウ集をもとに回答を自動生成する
これだけ見るとシンプルですが、2ステップに分けることで「頻出質問」と「正しい回答」を別々に洗い出せるのが大きなメリット。結果として、“本当にユーザーが知りたい質問”と“正確な回答”が組み合わさった使えるFAQが作れます。具体的に見ていきましょう。
Step1:応対履歴から「質問一覧」を作る
ポイント1:各種対応履歴の活用
コールセンターやサポート部門であれば、問い合わせ管理システムの履歴が基本になるでしょう。
● 電話対応の録音をテキスト化したもの
● メールやチャットでやり取りした文面
など、さまざまな形で残っているデータをAIに読み込ませて、質問一覧を自動生成するわけです。
ポイント2:プロンプトの工夫が鍵
AIに大量の履歴を渡すだけでは、同じ内容の質問が重複してリスト化されてしまうことも。そこで大事になるのが「プロンプト(AIへの指示文)」です。
● 同じ内容の質問は1つにまとめる
● いくつの対応履歴が同じ質問に該当するかをカウントしてよくある質問を可視化する
● 特定の期間に限定して抽出する(例:「クローズ日が2023年のもの」)
これらの条件を設定しておくだけでも、一覧の精度はぐっと高まります。また、一部で回答の自動生成を行い、暫定的に回答をつけることも可能です。
ポイント3:ここで一度“人の目”を通す
Step1が完了した時点で、「質問一覧+暫定の回答付きデータ」が出来上がっていることもあります。AIは便利ですが、「信頼しつつ、検証する」姿勢を忘れずに。
● 明らかに不適切な質問や回答は修正・削除する
● 重複質問の整理が十分かチェックする
この作業を丁寧に行うことで、次のステップに移ったときにFAQの質が大きく向上します。

Step2:社内ナレッジを活用して「回答」を完成させる
ナレッジベースをあらかじめ用意
2ステップ目では、社内のマニュアルやノウハウ集、作業手順書などを“ナレッジベース”としてAIに読み込ませます。
このナレッジベースを元に回答を作成するよう、プロンプトで指定することが重要です。
● プロンプト例:
・「以下のマニュアルを参考にして、先ほど抽出した質問への回答を生成してください」
・「出典(根拠資料のページ番号やURL)を回答の最後に明記してください」
こうした指示を出すことで、回答の根拠がわかる形でFAQを作成できます。根拠が示されることで、情報の正確性を確認しやすくなるのがメリットです。
不十分な回答を再チェック
Step2で生成された回答も、やはり最終的には人が確認することをおすすめします。なぜなら、マニュアルやノウハウ集に書かれている内容が古い可能性や、意図しないデータが混在しているケースもあるためです。
● 回答の妥当性:最新の手順と合っているか?
● 資料情報の正確性:根拠資料へのリンクやページ番号は合っているか?
ここでも「AIを信頼しつつ、最後は必ず検証する」というアプローチが欠かせません。

まとめ:2ステップで「よくある質問」と「正しい回答」を結びつける
Step1:よくある質問を洗い出す
● 応対履歴の内容をAIに読み込ませ、質問を一元化
● プロンプトで条件を指定し、重複や不適切なものを整備
● 人の目でチェックし、不要や修正の必要な質問を整理する
Step2:ナレッジベースから回答を作る
● マニュアルやノウハウ集など、正確な情報ソースをAIに渡す
● 回答が生成されたら、根拠の確認や古い情報の混在をチェック
いかがでしたでしょうか?弊社ではこの2ステップのFAQ自動生成について、プロンプトの具体的な組み方や運用事例をご紹介するセミナーを開催しています。FAQ作成の自動化にお悩みの方は、ぜひご参加ください。お申込みはこちらから。
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