「属人性の排除」にナレッジ×AI──“○○さんしかわからない”をなくすには?

「情報はあるのに、共有されない」現場のジレンマ
カスタマーサポートの現場でよく聞く声に、こんなものがあります。
「過去にやった対応だけど、○○さんしか知らない」
「引き継ぎがうまくいかず、対応に時間がかかる」
「同じ顧客からの問い合わせなのに、毎回ゼロから情報を集め直している」
情報は社内のどこかに「ある」はずなのに、それが整理されていない・見つからない・引き継げない。この状態が続くと、業務の属人化が進み、現場は“頼れる誰か”に依存し続けることになります。
この課題に対し、ナレッジ×AIは有効な解決策を提示します。
AIが断片をつなぎ、お客様ごとの「サマリー」を作る
SolutionDeskでは、メール、チケット、応対音声、導入時の仕様書や設計資料といったバラバラな情報の断片を、AIがつなぎ合わせて「お客様ごとの対応サマリー」を生成することができます。
たとえば、以下のような情報をもとに──
● 過去の問い合わせ履歴(メール・チケット)
● 製品の導入情報・カスタマイズ内容
● 対応履歴に含まれる音声データの文字起こし
● 社内ファイルサーバーにある提案書やマニュアル
AIはこれらの情報を読み取り、次のような「一枚のまとめ」として提示します:
山川電機工業 様
・導入製品:〇〇シリーズ(2019年〜)
・導入時の背景:旧型機からのリプレイス、カスタマイズあり
・ご担当者のこだわり:常にダウンタイムゼロを優先、夜間対応への感度高め
・過去の問い合わせ傾向:操作マニュアル関連・誤動作時の対応
これにより、誰が対応しても一定水準の“顧客理解”を持った対応が可能になるのです。
情報資産をAIで有効活用──FolderRAGの活用
この仕組みの中核となるのが、「FolderRAG」という技術です。
これは、ファイルサーバーに点在するナレッジ(PDF、Excel、Word、テキスト、音声など)をAIが読み取り、必要な情報だけを抽出・要約して提示する仕組みです。
従来であれば「その資料、どこにあったっけ?」「前回対応者に聞かないとわからない」となっていた状況が、AIへの問いかけ一つで解決するようになります。
さらに、生成されたサマリーは更新も可能。お客様とのやりとりが増えるたびに、AIが最新情報を加えていくことで、“進化する顧客ノート”のような運用も実現できます。
属人化を防ぐには、ナレッジ×AIの“習慣化”が鍵
属人化の本質は、「共有のしくみがない」のではなく、「共有する習慣が根づいていない」ことです。
ナレッジ×AIの導入は、その習慣化を支援します。
● すべてのやりとりを蓄積し、AIが要約してくれる
● 誰でも同じサマリーを見て次の対応に移れる
● 属人化せず、ノウハウを組織で循環できる
こうした仕組みがあるだけで、業務の属人化リスクは大幅に低減されます。
次回予告:「生産性の向上」にナレッジ×AI
次回は「生産性の向上」に焦点を当てます。
対応漏れ・遅延をゼロにし、チケットを軸にAIと人が協働する「アクティブチケット」の考え方をご紹介。業務プロセスの最適化が、どうナレッジ×AIで実現されるのかを解説します。
ナレッジ×AIを実現するITプラットフォーム「SolutionDesk」のカタログは以下のリンクよりダウンロードいただけます。
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